チップ製造の主要原料であるクリプトン、キセノン、ネオンなどの希ガスの中国の供給業者は、中国南部の港での貿易活動の遮断が伝えられたことを受けて、前例のない供給中断となる可能性があるとの懸念が高まる中、急増する注文に対応するための製品を大量に生産している。ウクライナは希ガスの世界的な重要な輸出国です。
米国主導の西側諸国がロシアに課した広範な制裁によってロシアとウクライナの紛争が激化する中、業界関係者らは、この混乱により半導体関連産業はリスクを回避するために中国などの国に傾斜するだろうと述べた。
中国の数社の希ガス生産者は月曜日、環球時報に対し、ウクライナでの軍事紛争の影響で、国内外からの毎日の注文問い合わせが現在5～6倍に急増していると語った。
国内の大手希ガス生産会社は月曜、匿名を条件に環球時報に対し、以前は3～5件しかなかった新規注文の問い合わせが毎日数十件受けていると述べ、そのほとんどが国内外の半導体メーカーからだった。
同関係者は、ウクライナ情勢が急速に変化する中、チップ業界で希ガスを巡る市場の憶測が高まっていると述べた。同社は、海外の顧客向けにクリプトン、キセノン、ネオンガスを生産しています。
この関係者によると、需要は余っているものの、生産の上限に達しており、生産能力の拡大には時間がかかるという。
中国産業ガス工業協会によると、ウクライナは希ガスの主要輸出国であり、そのうちネオンが世界供給量の70％、クリプトンが30％を占めている。
ウクライナ南部の主要港オデッサで一部の大手海運会社が運航を停止するなど貿易活動が停止され、希ガスの市場価格が高騰している。
例えば、中国国内市場のネオンガスの価格は1立方メートル当たり1,650元（261.5ドル）を超え、年初から65％上昇し、2021年10月の安値から4倍に上昇した。
中国産業ガス工業協会の会長であり、国内大手ガス生産会社である北京首鋼ガス社の総支配人でもある馬銀川氏は月曜日環球時報に対し、今週は旧来のガス生産者とガス会社からの問い合わせが顕著に増加していると語った。希ガスの価格と供給について尋ねる新規顧客もいます。
「今日、あるチップメーカーが私たちのところに来て、数十立方メートルのキセノンを緊急購入してほしいと頼んできた。私たちの年間キセノン生産量は200～300立方メートルなので、これは私たちにとってはかなりの量だ」と馬氏は語った。
より多くの希ガスを求める市場の需要は理解できるが、マー氏は、市場の不足を過度に心配する必要はないと述べた。
「たとえウクライナからの希ガスが現在供給に混乱しているとしても、ほとんどの国内企業は少なくとも3～6カ月分の在庫を保有しているだろうから、市場供給への影響は管理可能だろう」とマー氏は述べた。
中国東部の安徽省合肥市に本拠を置く半導体関連企業オートチップスは月曜日、環球時報に対し、欧州情勢の変化による潜在的な影響について、TSMCを含む業界チェーンパートナーと緊密に連絡をとっていると語った。
オートチップスによると、現時点では同社の事業に影響はなく、短期および中期的にも影響を受けることはないという。
オートチップスの関係者は「チップファウンドリーの上流のサプライチェーンは比較的長い。一部の希ガスの上流で供給が不足しても、下流に送るには一定の時間がかかる」と述べた。
最近のメディア報道によると、ASMLを含む国際的な半導体関連企業は、ロシアとウクライナの紛争に直面して、ネオンガスの多様な供給源を検討しているとのこと。
中国は常にクリプトン、キセノン、ネオンを自給自足で供給しているが、中国への世界的な需要が増えるにつれて供給が逼迫する可能性がある、とマー氏は述べた。
投稿日時: 2023 年 11 月 20 日